泉質と効能
温泉あれこれ(その2)…泉質と効能
泉質は10種類。それぞれ固有の適応症も。
「泉質」とは、その温泉にどんな成分がどのくらい含まれているかを分類したもの。温泉の中には、特に治療や療養に役立つ泉質を持った「療養泉」と定義されるものがあります。療養泉は、温度もしくは含有成分に基づいて10種類に分類されており、必ず泉質名が付けられています。すべての泉質に共通する「一般適応症」と、固有の「泉質別適応症」があるので、温泉の特徴を知り、目的に合わせて利用するのがおすすめ。脱衣所などに掲示されている「温泉分析書」で確認できます。
ちなみに「美容・美肌」は適応症には当てはまらないので、温泉分析書には書かれません。しかし、泉質やph値、メタケイ酸の含有量などによって角質除去や保湿効果が期待されることから、「美人の湯」とうたっている温泉もあります。
【一般適応症】
●筋肉、関節の慢性的な痛み、こわばり(関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)●軽い喘息・肺気腫●痔の痛み●運動麻痺による筋肉のこわばり●冷え性・末梢循環障害●胃腸機能の低下(胃がもたれる、ガスがたまるなど)●軽症高血圧●自律神経不安定症やストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)●耐糖能異常(糖尿病)●軽い高コレステロール血症●病後回復期●疲労回復・健康増進(生活習慣病改善など)
【療養泉の種類と泉質別適応症】
※泉質別適応症は“浴用”と“飲用”に分けて記載。
※飲泉はきちんと設備が整った施設で、決められた量を利用しましょう。
①単純温泉
■基準…溶存成分(ガス成分を除く)が1,000mg/kg未満。泉温は 25℃以上。
■特徴…ph8.5以上のものは「アルカリ性単純温泉」。刺激はマイルド。
■泉質別適応症
●浴用/自律神経不安定症、不眠症、うつ状態
②塩化物泉
■基準…陰イオンの主成分が塩化物イオン。
■特徴…皮膚に塩分が付着するため、保温効果・循環効果がある。
■泉質別適応症
●浴用/きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
●飲用/萎縮性胃炎、便秘
③炭酸水素塩泉
■基準…陰イオンの主成分が炭酸水素イオン。
■特徴…皮膚の角質を軟化する作用がある。
■泉質別適応症
●浴用/きりきず、末梢循環障害、冷え性、皮膚乾燥症
●飲用/胃十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、耐糖能異常(糖尿病)、高尿酸血症(痛風)
④硫酸塩泉
■基準…陰イオンの主成分が硫酸イオン。
■特徴…飲んで胆のうを収縮させ、腸のぜん動を活発化する。
■泉質別適応症
●浴用/きりきず、末梢循環障害、冷え性、うつ状態、皮膚乾燥症
●飲用/胆道系機能障害、高コレステロール血症、便秘
⑤二酸化炭素泉
■基準…二酸化炭素を 1,000mg/kg 以上含む。
■特徴…炭酸ガスが皮膚から吸収され、保温効果や循環効果が期待できる。
■泉質別適応症
●浴用/きりきず、末梢循環障害、冷え性、自律神経不安定症
●飲用/胃腸機能低下
⑥含鉄泉
■基準…鉄(II)イオン、鉄 (III) イオンを合計で 20mg/kg以上含む。
■特徴…空気に触れると鉄の酸化が進み、金色に変色する。
■泉質別適応症
●浴用/一般適応症を参照
●飲用/鉄欠乏性貧血症
⑦酸性泉
■基準…水素イオンを1mg/kg 以上含む。
■特徴…酸性が強いと入浴で皮膚にしみ、口にすると酸味がある。殺菌力が強い。
■泉質別適応症
●浴用/アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、表皮化膿症、耐糖能異常(糖尿病)
⑧含よう素泉
■基準…よう化物イオンを10mg/kg 以上含む。
■特徴…非火山性の温泉に多く、放置すると黄色く着色する。
■泉質別適応症
●浴用/一般適応症を参照
●飲用/高コレステロール血症 ※甲状腺機能亢進症がある場合は注意が必要。
⑨硫黄泉
■基準…総硫黄を 2mg/kg 以上含む。
■特徴…殺菌力が強く、表皮の細菌やアトピー原因物質を取り除く。
■泉質別適応症
●浴用/アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症
※硫化水素型は抹消循環障害が追加される。
●飲用/耐糖能異常(糖尿病)、高コレステロール血症
⑩放射能泉
■基準…ラドンを30×10-10Ci/kg(8.25 マッヘ単位)以上含む。
■特徴…微量の放射能で炎症に効果的。
■泉質別適応症
●浴用/高尿酸血症(痛風)、関節リウマチ、強直性脊椎炎など
出典/環境省「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」

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