ふくしま食紀行
ふくしま食紀行(その2)…じゅうねん
注目のスーパーフード「エゴマ=じゅうねん」
毎年5月中旬頃から、じゅうねんの種まきが始まります。じゅうねんとは、近年“スーパーフード”として注目を浴びている「エゴマ」の愛称。福島県内各地で盛んに栽培されており、「食べると10年長生きする」という言い伝えや、「収穫した種子は10年経っても蒔けば芽を出す」とのいわれから、福島県内では「じゅうねん」と呼ばれています。
じゅうねんはシソ科の一年草。最近では葉の方も積極的に食べられるようになっていますが、日本では一般的に種子の方を食べてきました。
じゅうねんには白種と黒種の2品種があります。白じゅうねんの種子は粒が大きく皮も厚めなので、すり潰して料理に使います。一方、黒じゅうねんの種子は皮が薄くて潰れやすく含油量も多いことから、おもにエゴマ油として使われます。
じゅうねんがスーパーフードとして注目を浴びているのは、「α-リノレン酸」という健康成分を多く含んでいるため。α-リノレン酸は必須脂肪酸の一種で、オメガ3という種類に分類されており、体内でDHAやEPAに変換されます。DHAやEPAは青魚に多く含まれる健康成分として知られていますね。その効果は、コレステロール値や血圧の抑制、認知症予防、アンチエイジングなど多岐にわたります。
ところがα-リノレン酸は人間の体内で生成することができず、食品から摂取しなくてはなりません。エゴマ油は、成分の約60%をα-リノレン酸が占めており、毎日手軽に摂取できる健康食品なのです。
ただしα-リノレン酸は熱に弱く酸化しやすいのが難点。
エゴマ油は加熱調理せず、サラダやヨーグルトに混ぜて食べましょう。たんぱく質と一緒に摂ると脳細胞の活性化につながると言われているので、食べる直前の魚料理や肉料理、卵かけご飯などにかけるのもおすすめです。
香ばしくて素朴な味わいのしんごろう
エゴマ油以外にも、「じゅうねん」「エゴマ」でインターネット検索すると、おかずやスイーツのレシピがたくさん出てきます。
でも福島県でじゅうねんを使った料理と言えば、まず「しんごろう」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。半つきにしたご飯を卵ほどの大きさに丸め、竹串に刺してじゅうねん味噌を塗り、囲炉裏端で焼いた、会津地方の郷土料理です。じゅうねん味噌は、煎ったじゅうねんの実をすり潰し、味噌・砂糖・酒・みりんなどを加えて練ったもの。どこか懐かしい甘じょっぱさがあり、田楽や焼きおにぎりなどにもぴったりです。
「しんごろう」は、この料理を生み出した人物の名前に由来しているのだとか。しんごろうという貧しい青年が、正月に餅を買うことができず、代わりにご飯を丸めてじゅうねん味噌を塗り、焼き上げました。それがとても美味しくできたことから母親も喜び、やがて地域に広がっていったという話が残されています。
優しく素朴な味わいの「しんごろう」。県内で提供している観光スポットや飲食店もありますが、「いつでも手軽に家で味わいたい」という方は、種からじゅうねんを育ててみてはいかがでしょう。
最後に、当社では下記の検査を行っておりますので、何なりとご用命ください。
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