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ふくしま食紀行

ふくしま食紀行(その8…あんぽ柿

あんぽ柿と干し柿とでは何が違うの?

晩秋の福島をオレンジ色に彩る風景。それは無数に吊るされた「あんぽ柿」です。50%程度という高い水分率のドライフルーツで、羊羹やゼリーを思わせる柔らかな食感と濃縮された甘さが絶妙。福島ではお茶請けなどにもよく出されますね。

一見すると干し柿ですが、単に乾燥させたものではありません。あんぽ柿と一般的な干し柿の大きな違いは、その製法にあります。あんぽ柿は皮を剥いた後に硫黄で燻蒸(くんじょう)してから乾燥させます。硫黄燻蒸には、殺菌効果や酸化防止効果があり、この工程のおかげでポリフェノールの酸化が抑えられ、鮮やかなオレンジ色を保つことができるのだとか。約30分間の硫黄燻蒸の後、40日間ほどの自然乾燥で、極上のあんぽ柿ができあがります。

あんぽ柿の発祥は、伊達市梁川町の五十沢地区。江戸時代の宝暦年間頃に五十沢地区の七右衛門という人が柿を植えたことが始まりと言われています。柿の皮を剥いて天日干しにしていたことから、「天干し(あまほし)柿」と呼ばれており、それがいつしか転訛して「あんぽ柿」という呼び名になりました。
大正時代になると、カリフォルニアの干しぶどう作りの硫黄燻蒸技術を視察した篤農家によって、その技術が五十沢地区にもたらされます。後に科学的な検証もおこなわれ、昭和8(1933)年には「硫黄燻蒸 五十澤アムポ柿」として発表されました。

「医者が青くなる」ほどの高い栄養価

あんぽ柿は、平核無(ひらたねなし)柿や蜂屋 (はちや)柿といった品種から作られます。
「柿が赤くなると医者が青くなる」。そんなことわざで表されるように、柿はフルーツの中でも栄養価が豊富。例えばビタミンAC、カリウム、食物繊維などを含んでおり、干すことでビタミンAは生柿の時よりも2倍以上に増えます。

あんぽ柿は、天然の和菓子とも呼ばれているのでもちろんそのままでも美味しくいただけますが、料理に活用するのもおすすめ。例えば、お正月によく食べるなますに加えると、酸味がやわらいで美味しくいただけます。ドライフルーツを用いるスイーツやおつまみなどにもよく合いそうですね。特にクリームチーズとの相性が良く、様々なレシピがグルメサイトなどにもアップされています。
オンラインショッピングや県内各地のスーパーなどでも手に入るので、ぜひ召し上がってみてください。

あんぽ柿
https://www.date-shi.jp/1582

 

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