季節を彩る花ごよみ
季節を彩る花ごよみ(その4)…ハス
ハスとスイレンの違い、ご存じですか
ピンクや白など大輪の優美な花を咲かせる「ハス」。土中の塊茎がレンコンとして流通する食用ハスと、花を愛でる観賞用の花ハスがあります。
ハスの花言葉は、「清らかな心」「神聖」。泥の中からまっすぐに伸びて美しく咲くハスが、「迷いの中から悟りを開く」というお釈迦様の教えの象徴になっていることを考えると、納得の花言葉ですね。
ハスは早朝に花が開き、午後には閉じてしまうので、早い時間の観賞がおすすめ。しかも1つの花の寿命は4日ほどしかありません。
しかし花が散った後の形状も見応えがあります。花の中心にある「花托(かたく)」の中の雌しべが受粉して成長し、花弁が落ちるとより肥大してハチの巣のような「果托(かたく)」となります。この形状から、古くはハスの花を「ハチス」と呼んでいたのだとか。
やがて果托は秋になると色が黒くなって外皮が硬くなり、どんどん重くなるためうつむいて穴の中の種子を落とします。種を落とした果托は、乾燥させて工芸品や活け花などに使われたりすることも。
ところで、ハスとスイレンの違いをご存じでしょうか。どちらも水生植物で、咲く時期もほぼ同じ。漢字で書くと「蓮」「睡蓮」で、蓮の字が共通しています。
では、違いを比較してみましょう。
【ハス/ハス科ハス属】
●花…水面から高い位置に伸びて花を咲かせます。花が終わると水上で花びらが散り、果托ができます。
●葉…円形で切り込みがなく、浮き葉と立ち葉があります。光沢はなく、水をはじきます。
●根…地下茎が肥大してレンコンになります。
【スイレン/スイレン科スイレン属】
●花…温帯性のスイレンは水面に咲きます。熱帯性は水面から茎を伸ばして咲きます。花が終わると閉じて水中に沈みます。果托はできません。
●葉…切り込みのある円形。光沢がありますが、水をはじきません。
●根…温帯性はワサビ状の塊根。熱帯性は球根型の塊根です。
長い時を越えて現代に咲く古代ハス
国見町の「あつかし千年公園」のハス池では、「中尊寺蓮」と呼ばれる古代ハス群を見ることができます。これは、奥州藤原第4代・藤原泰衡(やすひら)の首桶に収められていたハスの種子が、約800年の眠りから目覚めて開花したもの。2009年に岩手県平泉町の中尊寺から株分けされました。毎年7月~8月下旬にかけて、濃いピンク色の花を咲かせます。
https://www.town.kunimi.fukushima.jp/site/kanko/1992.html
他にも福島県内では、いわき市の「国宝 白水阿弥陀堂(7月中旬~8月中旬)」、郡山市の「四季の里 緑水苑(7月下旬~8月下旬)」、矢吹町の「大池公園(7月上旬~8月上旬)」、白河市の「南湖公園 翠楽苑(7月中旬~8月上旬)」、会津美里町の「龍興寺(6月下旬~7月中旬)など各地で古代ハスが見られます。古代ハス以外の品種やスイレンが見られるスポットもあるので、散策しながらあれこれ見比べてみてはいかがでしょう。
最後に、当社では下記の検査を行っておりますので、何なりとご用命ください。