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職人の手仕事~伝統工芸

職人の手仕事~伝統工芸(その1からむし織

昭和村は本州唯一のからむし生産地

「からむし」とは、イラクサ科の多年草。苧麻(ちょま)とも呼ばれます。また苧麻の茎の皮を剥いで精製した繊維を青苧(あおそ)と呼びます。昭和村では室町時代から「からむし」が栽培されるようになったと伝わっており、現代まで途絶えることなく生産されてきました。かつては全国各地にあったというからむしの畑ですが、現在本州でその光景を見られるのは昭和村のみです。

その栽培工程は、非常に手間と時間がかかるもの。収穫できるようになるのは植え付けから3年目で、夏の暑い時期に手作業で刈り取りがおこなわれます。その後、茎の部分の皮を1本ずつ丁寧に剥ぎ、中から繊維を取り出して乾燥させます(芋引き/おびき)。そして繊維を指で細かく裂き、糸をつなぎます(芋績/おうみ)。帯1本分の糸を紡ぐために、2か月もかかるのだとか。さらに糸車で撚()りをかけ、丈夫な糸に仕上げます。

昭和村で作られた青苧は国指定の重要無形文化財「小千谷縮・越後上布」の原料であることから、からむしの栽培、および 「芋引き(おびき)」の工程は、1991年に国選定の保存技術として認定されました。

また昭和村では、こうして作った糸を使い、独自に「からむし織」の様々な商品も展開しています。糸を織物にするのも手作業。昔ながらの機織りで、繊細かつ高度な技術を使い、美しい反物に仕上げています。
2013年には「からむしに関する生産用具・製品」が重要有形民俗文化財に、そして2015年には「奥会津昭和からむし織」が国の伝統的工芸品に指定されました。

からむし織の特長は、吸湿・速乾性が高いこと。通気性もあり、さらりとした肌触りで、特に夏衣として一度着用すると「他の織物を着られなくなる」ほど着心地が良いのだとか。耐久性にも優れており、着れば着るほど馴染んでいきます。長く愛用できる、とっておきの宝物になることでしょう。また着尺や帯以外に、コースターやストラップといったお手頃価格の小物も販売されています。

村では毎年「織姫・彦星」を公募

昭和村に住む人々の手で、長く受け継がれてきた「からむし」の栽培と機織りの技術。しかし着物の需要減少や担い手不足などの課題が顕著になってきたことから、1994年度より、からむし織に従事する体験生数名を村内外に募集するようになりました。これが通称織姫・彦星と呼ばれる制度。

織姫・彦星に選ばれると住民登録をして村民になります。そして約11か月、からむし栽培から織りまでの一連の作業はもちろん、様々な山村生活も体験していきます。30年も続いてきたこの制度。体験期間終了後、そのまま昭和村にとどまって生活している人も12人ではありません。中には、村人から畑を受け継いでいる人、体験生を技術指導する立場になっている人もいます。

こうした移住にもつながる本格的な体験以外に、「道の駅からむし織の里しょうわ 織姫交流館」では手軽に挑戦できる「コースター織体験(1,100円、要事前予約)」を実施。織機を使って手織りするので、織姫気分を味わえそうですね。敷地内には、からむしの歴史や技術を学べる「からむし工芸博物館」、麺にからむしを練りこんだラーメンなどを味わえるレストラン「苧麻庵」なども併設されているので、からむし織をいろいろな角度から楽しんでみてはいかがでしょう。

昭和村
https://www.vill.showa.fukushima.jp/

奥会津昭和村振興公社/道の駅 からむし織の里 しょうわ
https://www.karamushi.co.jp/work.html
https://www.karamushi.co.jp/michinoeki.html#contents01_02

 

 

最後に、当社では下記の検査を行っておりますので、何なりとご用命ください。

● 食品、土壌、水などに含まれる放射能濃度を測定する放射能検査
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